精選版 日本国語大辞典 「菫科」の意味・読み・例文・類語
すみれ‐か‥クヮ【菫科】
- 〘 名詞 〙 双子葉植物の科名。二二属九〇〇種ほどあり、世界に広く分布する。多くは草本だが、低木もある。葉は互生し托葉がある。花はふつう総状花序をなし、左右相称。両性。まれに雌雄混株。しばしば閉鎖花になる。萼片(がくへん)は五個。花弁は五枚でおのおのの大きさが異なり、最下部の一個は大きくて基部が距になり、中に蜜をためる。雄しべは五個で花弁に対生し、時に基部が合着して筒状となり子房を囲む。花糸は短く二個の付属物が付く。子房は上位で一室。各室に一ないし多数の胚珠がある。果実は蒴果または液果で蟻によって散布されるという。日本には、花が黄色のキスミレ、キバナノコマノツメなどと、白または紫紅色のスミレ、タチツボスミレなど、多数の野生種が生育する。観賞用として栽培するパンジー(三色すみれ)はヨーロッパに生育する近縁の二種から交雑によって作り出されたという。〔生物学語彙(1884)〕