朝日日本歴史人物事典 「萩原宗固」の解説
萩原宗固
生年:元禄16(1703)
江戸中期の歌人。名貞辰,号百花庵。幕府の先手組に所属する幕臣。烏丸光栄,武者小路実岳,冷泉為村らに師事して和歌・歌学を学ぶ。江戸の武家歌人として名声高く,また内山賀邸と共に「明和十五番狂歌合」の判者をも勤めて天明狂歌の原点に位置したことでも知られる。家集『志野乃葉草』,ほかに『一葉抄』『もずのくさぐき』などの歌学随筆が伝わる。『塙氏雑著』(静嘉堂文庫蔵)も宗固自筆の雑抄。為村との問答である『冷泉宗匠家伺書』には宗固の苦悩もほの見えて興味深い。<参考文献>安藤菊二『江戸の和学者』
(久保田啓一)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報