萱振村(読み)かやふりむら

日本歴史地名大系 「萱振村」の解説

萱振村
かやふりむら

[現在地名]八尾市萱振町一―七丁目・楠根くすね町一―五丁目・小畑こはた町一―四丁目・長池ながいけ町一―五丁目など

八尾から北の若江わかえ諸村(現東大阪市)へ通じる街道沿いに位置し、南に接して南萱振みなみかやふり村がある。東の玉串たまくし川、西の長瀬ながせ川のほぼ中間、河内の平野部のただ中にある。村の南から西、そして北へと楠根川が流れる。集落を取囲むように幅二、三メートルの環濠がめぐる。南北朝の動乱期から戦国時代まで度々戦場となった。当地にある浄土真宗本願寺恵光えこう寺に隣接する南西の土地を「シロンド」とよぶ。城土居のことで、萱振城跡をさすとみられている。ここを含めた環濠集落そのものが、戦国期には城郭の機能を果したと考えられる。

建武五年(一三三八)閏七月日の田代基綱軍忠状(田代文書)、延元三年(一三三八)一〇月日の高木遠盛軍忠状(和田文書)によると、同年五月二二日、南朝勢が北朝勢のいる高安の陣を焼払うと、天王寺てんのうじ(現天王寺区)の北朝勢が寄せて来て合戦となり、萱振の在家が焼かれた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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