落方(読み)オチカタ

デジタル大辞泉 「落方」の意味・読み・例文・類語

おち‐かた【落(ち)方】

落ちるときの状態。落ちぐあい。「落ち方がうまく木にひっかかった」
花などが終わろうとするころ。落ちはじめるころ。
御前の梅は…すこし―になりたれど、なほをかしきに」〈・八三〉
逃げる機会
「―を失ひて惘然ばうぜんとして居たるを」〈太平記・三八〉

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精選版 日本国語大辞典 「落方」の意味・読み・例文・類語

おち‐かた【落方】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 花などの落ちようとする頃。散り時。
    1. [初出の実例]「お前の梅は、西は白く、東は紅梅にて、少しおちかたに、なりたれど」(出典:枕草子(10C終)八三)
  3. 太陽や月が沈もうとする頃。
    1. [初出の実例]「日脚もはや落かたになりさう」(出典:四河入海(17C前)五)
  4. 落ちた方角、場所。
    1. [初出の実例]「神鳴も落かたしれず、おさまり」(出典:浮世草子・武家義理物語(1688)六)
  5. 逃げ落ちる所。また、その機会。
    1. [初出の実例]「兵粮尽て落方も無りければ」(出典:太平記(14C後)三八)
  6. 身のなりゆき。
    1. [初出の実例]「現(うつつ)にはなす母の落方」(出典:浮世草子・御前義経記(1700)一)
  7. 落ちる時の状態、様子。落ちる時の要領
    1. [初出の実例]「人後に落ちた。而も普通の落ち方ではない」(出典:趣味の遺伝(1906)〈夏目漱石〉一)
  8. 下り坂になった状態。落ちめになりかけたところ。

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