日本大百科全書(ニッポニカ) 「葉焼病」の意味・わかりやすい解説
葉焼病
はやけびょう
作物の葉に褐色の小斑点(はんてん)を生じ、発生が甚だしいとき、葉の全面が焼けたように褐色になる病気。ダイズのほか数種の作物に発生し、病原の種類もそれぞれ異なる。このうち、もっとも重要なものはダイズ葉焼病で、わが国だけでなく、世界各国で発生し大きな被害を与える。葉に1~2ミリの小さな褐色から黒褐色の斑点を生じ、病斑の裏側は盛り上がってコルク化する。発生が多いときは葉全体が褐色になり、焼けたようになって早期に落葉する。また莢(さや)にもコルク化した病斑をつくる。病原菌は細菌で学名はキサントモナス・キャンペストリス・グリシネスXanthomonas campestris pv. glycinesである。このほか、ワタ、サトウキビ、モロコシなどにも葉焼病が発生するが、病原菌は糸状菌である。
[梶原敏宏]