蔗境(読み)シャキョウ

デジタル大辞泉 「蔗境」の意味・読み・例文・類語

しゃ‐きょう〔‐キヤウ〕【×蔗境】

《「晋書」文苑伝から》談話文章景色などが次第におもしろくなってくるところ。晋の顧愷之こがいし甘蔗を食う時、いつもまずい部分から食いはじめ、次第にうまい部分にうつったという故事による。佳境

しょ‐きょう〔‐キヤウ〕【×蔗境】

しゃきょう(蔗境)

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「蔗境」の意味・読み・例文・類語

しゃ‐きょう ‥キャウ【蔗境】

〘名〙 (顧愷之が、蔗(サトウキビのこと)を食べる時、いつも尾から本に至り、ようやく佳境に入ると言ったという「晉書‐文苑伝・顧愷之」の故事から) 文章、話、状態などが、次第に面白くなってくるところ。佳境。蔗を噛む境(きょう)
※淡窓詩話‐叙(1882)〈川田甕江〉「三読四読五読六読、則漸入蔗境

しょ‐きょう ‥キャウ【蔗境】

〘名〙 すばらしい境地。文章・話などのだんだんと面白くなってくるところ。佳境。しゃきょう。
吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉三「近頃に至って始めて随処任意の庶境に入って」 〔儲‐送馬侍御帰故城詩〕

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