蔭子孫(読み)おんしそん

精選版 日本国語大辞典 「蔭子孫」の意味・読み・例文・類語

おん‐しそん【蔭子孫】

  1. 〘 名詞 〙 ( 蔭子蔭孫との意 ) 父または祖父の蔭(おん)によって官人として出身する子、または孫。
    1. [初出の実例]「太政官処分。式部省蔭子孫并位子等不年之高下、皆下大学一向学問焉」(出典:続日本紀‐天平一一年(739)八月丙子)

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改訂新版 世界大百科事典 「蔭子孫」の意味・わかりやすい解説

蔭子孫 (おんしそん)

日本古代の律令官人の任用法上での資格身分の一つ。五位以上の貴族官人の子・孫をいう。うち,三位以上の子・孫,四,五位の子(のち四位の孫に拡大)は蔭位資格者で,蔭位特典を与えられた。また三位以上の子は無条件で,その他の蔭子孫は才幹によって内舎人(うどねり)に,以外は大舎人,東宮舎人などに採用された。また蔭子孫は,大学への入学資格が与えられるなど,貴族官人の再生産に大きな役割を果たした。
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世界大百科事典(旧版)内の蔭子孫の言及

【入色人】より

…日本古代の律令官僚制で,それぞれの官職に採用される有資格者,またその下級職員に採用された人をいう。大宝・養老両令条では,内舎人(うどねり)・大舎人・東宮舎人・中宮舎人などに採用される資格をもつ蔭子孫(おんしそん)や,大舎人・兵衛・使部に任用される資格をもつ位子(いし)も,入色人のケースである。そして諸官庁に属する伴部らになりうる負名氏(なおいのうじ)の有資格者も入色人であり,たとえば主殿寮の殿部(とのもり),掃部司の掃部(かにもり),主水司の水部,造酒司の酒部,囚獄司や東・西市司の物部などになりうる有資格者たちが入色人とよばれた。…

※「蔭子孫」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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