令制の官吏の総称。狭義には太政官,各省などに勤仕する初位以上六位以下のもの,六衛府の尉,将監以下のもの,院庁の公文,院掌などをさす。また,国司制における在庁官人や太政官に属した保官人をいうこともある。
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官職にある人。官吏。役人。
「―より始めて、諸々の民に至るまで」〈東関紀行〉
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律令制度下の官吏一般をいう用語。狭義には〈大宝令〉などの官位令に官位相当が規定された,諸司の主典(さかん)以上(4等官)および品(ほん)官をさし,広義には舎人(とねり)・兵衛(ひょうえ)・伴部(ともべ)・使部(つかいべ)などの下級官吏官も含める。
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※閑耳目(1908)〈渋川玄耳〉均霑論と均損論「理に明るい許りで策に迂なるは官人(クヮンジン)の通弊」
〘名〙
① 官吏。役人。
※万葉(8C後)一六・三八三七・左注「于レ時府家備二設酒食一饗二宴府官人等一」
※伊勢物語(10C前)六〇「ある国の祗承の官人の妻にてなむあるとききて」
② 諸司の主典(さかん)以上の役人。
※令義解(718)選叙「凡官人至レ任。若無二印文一者。不レ得二受代一」
③ 近衛将監以下および院司の庁官などの総称。
※宇津保(970‐999頃)吹上上「さ左の司のくはん人。もののふしどもの中にも選びてなむ罷り下りて侍りし」
④ 検非違使庁の佐と尉の役人。
※政事要略(1002頃)六一「案。式已上二条。右衛門府准レ此者。弘衛式云。凡撿二挍右京非違一者。官人一人。府生一人」
〘名〙
① 官職にある人。朝廷につかえている役人。官吏。役人。つかさ。かんにん。
※延喜式(927)祝詞(九条家本訓)「主等・臣等・百(ももち)の官人(ツカサヒト)」
② 宦官(かんがん)の異称。
※今昔(1120頃か)九「帝、亦、太子に枉誅
(わうちうせら)れて、亦、閹の人、宗愛が為に被

れぬ」
※観智院本名義抄(1241)「閹 ツカサ人 フクリトリヒク」
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律令制下の官吏
位階によって五位以上の上級官人(殿上人 (てんじようびと) )と六位以下の下級官人に分けられた。上級官人は都で貴族層を形成し,蔭位 (おんい) や経済的特権をうけ固定化していった。下級官人はおもに地方出身者が採用された。
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世界大百科事典内の官人の言及
【所司】より
…古代,中世の官司・官人の一つ。(1)奈良・平安時代に,ある事柄を担当する官司,あるいは官人の意味で用いられた言葉。…
※「官人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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