蔵春院(読み)ぞうしゆんいん

日本歴史地名大系 「蔵春院」の解説

蔵春院
ぞうしゆんいん

[現在地名]大仁町田京 安野沢

田中たなか山南西麓にある曹洞宗寺院。長谷山と号し、本尊釈迦如来永享一一年(一四三九)関東管領上杉憲実の開基(日本洞上聯灯録)。「増訂豆州志稿」は開山大綱、二世を舂室宗能、三世を実山英秀とするが、実質的な開山は舂室の嗣法実山で、舂室の師大綱は招請開山であろう。永享の乱で死に追いやった主人鎌倉公方足利持氏の追悼のため、憲実が建立した寺院であり、白山堂しらやまどうの領主宮内氏の外護によるともいう(増訂豆州志稿)。寺の由緒によれば堂舎の完成は永享一一年一二月のことで、持氏の院号長春院を山号と院号の二つに分けて命名したものという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報