藍沢原(読み)あいざわはら

日本歴史地名大系 「藍沢原」の解説

藍沢原
あいざわはら

富士山と箱根はこね足柄あしがら山系に挟まれた現御殿場市・小山おやま町の高原地域をさす中世の呼称。「駿河記」には「元間沢に作る。富士と足柄の間にあるを以て間沢と云」とある。藍沢は愛沢・合沢・遇沢などとも書く。「吾妻鏡」の文治元年(一一八五)二月一六日条に「今日、武衛歴覧山沢之間、於藍沢原、付参州廻李、重被遣書」とみえ、源頼朝は当地で弟範頼に手紙を送っている。建久四年(一一九三)頼朝は三月・四月に下野那須なす野・信濃三原みはら野において、翌五月には当地や富士野で狩を行っている。前年征夷大将軍となった頼朝の示威だけではなく、関東の入口・関門にあたる地における軍事演習だった意図がうかがえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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