那須野(読み)ナスノ

デジタル大辞泉 「那須野」の意味・読み・例文・類語

なす‐の【那須野】

那須野ヶ原なすのがはら
箏曲そうきょく山田流。文化4年(1807)ごろ、山田検校作曲玉藻たまもの前伝説によったもの。

なすの[列車]

東北新幹線で運行されている特別急行列車愛称。平成7年(1995)運行開始。東京那須塩原郡山などを結ぶ。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「那須野」の意味・読み・例文・類語

なす‐の【那須野】

  1. [ 一 ]なすのはら(那須野原)
    1. [初出の実例]「那須野の狩に下り給ひし間」(出典:平家物語(13C前)一二)
  2. [ 二 ] 箏曲曲名。山田流。文化四年(一八〇七)ごろ、山田検校が作曲。玉藻(たまも)の前伝説によったもの。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「那須野」の意味・わかりやすい解説

那須野 (なすの)

邦楽の曲名。奈須野とも書く。能《殺生石(せつしようせき)》などで有名な玉藻前(たまものまえ)伝説に拠る。1807年(文化4)江戸市村座上演尾上松助の《三国妖狐伝》(初演は寛政末か)に呼応して,山田検校が作曲した山田流箏曲が最も有名。〈中七曲〉の一つ。これを増補したとされる富本節本名題《殺生石十三怪》)や一中節もある。また初世杵屋(きねや)六四郎作曲の長唄《三国妖狐物語》下の巻の別称でもある。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「那須野」の意味・わかりやすい解説

那須野
なすの

日本音楽の曲名。「奈須野」とも書く。謡曲殺生石』などで有名な玉藻の前伝説による。 (1) 山田流箏曲の曲名 流祖山田検校作曲の中許7曲の一つ。文化4 (1807) 年江戸市村座上演の尾上松助『三国妖婦伝』 (初演は寛政末年頃) に呼応して作られた。雲井調子・三下りで通される。6世尾上菊五郎らが舞踊化したこともある。 (2) 富本節の曲名 (1) の取捨増補。本名題『殺生石十三怪』。慶応3 (1867) 年名見崎八五郎 (5世徳治) 作曲。 (3) 一中節の曲名 (2) と同趣。1世宇治紫文作曲。 (4) 長唄の曲名 『三国妖狐物語』下の巻の別名。1世杵屋六四郎作曲。3世六四郎 (浄観) が伝え,吉住小三郎らにより,研精会で上演。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android