藤井実(読み)ふじいみのる

改訂新版 世界大百科事典 「藤井実」の意味・わかりやすい解説

藤井実 (ふじいみのる)
生没年:1880-1963(明治13-昭和38)

明治期の陸上競技選手。東京出身。東京帝大仏法科卒。1902年の東大運動会で,100m競走に10秒24の驚異的な記録を出した。このとき初めて田中館愛橘考案の電気計測が用いられ,寺田寅彦助手を務めたが,現在ではどこかに計時の誤りがあったとみられている。さらに06年の運動会では棒高跳びに3m90cmを記録した。これらの記録は東大総長から海外へ通報され,アメリカの運動年鑑に世界記録として報じられた。陸上万能で走幅跳びなどにも好記録を残したが,卒業後は外交官の道を歩んだ。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

20世紀日本人名事典 「藤井実」の解説

藤井 実
フジイ ミノル

明治期の陸上競技選手



生年
明治13(1880)年11月6日

没年
昭和38(1963)年1月3日

出身地
東京

学歴〔年〕
東京帝国大学法学部〔明治39年〕卒

経歴
明治35年東大の陸上運動会で100mを10秒24で走り、日本人で初めての世界新記録を作った。また39年には棒高とびでも3m90の世界新記録を作り、この両記録は「アメリカ体協(AAU)年報」で紹介され、イギリス王室では愛馬の1頭に「ミノル」と命名するエピソードを生んだ。卒業後、外交官となった。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「藤井実」の解説

藤井実 ふじい-みのる

1880-1963 明治時代の陸上競技選手。
明治13年11月6日生まれ。東京帝大運動会で,明治35年100m競走に10秒24を,39年棒高跳びに3m90を記録し,当時の世界記録をつくる。両記録は「アメリカ体協(AAU)年報」で紹介された。卒業後は外交官となった。昭和38年死去。83歳。東京出身。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android