改訂新版 世界大百科事典 「広畑」の意味・わかりやすい解説
広畑 (ひろはた)
兵庫県南西部,姫路市の臨海地区。夢前(ゆめさき)川の河口西岸にあり,新日本製鉄広畑製鉄所の所在地で,播磨工業地域の中心をなす。1937年に日本製鉄の製鉄所の立地が決まる以前は水田地帯にすぎなかったが,江戸時代に開かれた広大な新田が地盤,用水,輸送などの点で製鉄所の建設に好適であったため,日本初の本格的消費地立地型製鉄所が建設されることになった。夢前川の付替え,広畑港の開削と海面埋立てが行われ,東西3km,南北1.5kmの工場用地に最新鋭の銑鋼一貫工場が出現した。また工場北側の水田地帯に都市計画が施行され,1万2000人にのぼる従業員のための住宅が建設された。第2次大戦後,日本製鉄の解体に伴い富士製鉄広畑製鉄所となり,1970年に新日本製鉄の発足とともに主力製鉄所の一つとなったが,リストラの進展にともない生産額,従業員数ともに大幅に減少した。
執筆者:小森 星児
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報