朝日日本歴史人物事典 「藤原沢子」の解説
藤原沢子
生年:生年不詳
平安前期,仁明天皇の女御。紀伊守従五位下藤原総継(魚名の孫)の娘。天皇の東宮時代に入内したと考えられ,宗康,時康(光孝天皇),人康の3親王と新子内親王を生む。仁明天皇の特別の寵愛を受け,後宮随一とされた。承和6(839)年4月宮中でにわかに病となり,危篤になるにおよんで小車に乗せられて里第に運ばれ,そのまま絶命した。時に従四位下であったが,従三位を追贈。その後,元慶8(884)年に時康親王が55歳で即位すると皇太后を贈られ,墓も山陵に改められた。また,父総継にも太政大臣が贈られている。
(菅原征子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報