日本大百科全書(ニッポニカ) 「エグベルト」の意味・わかりやすい解説
エグベルト
えぐべると
Egbert
(?―839)
ウェセックス王(在位802~839)。ウェセックス王朝の後裔(こうえい)ケント王エアルフムントの子。ベオルフトリック王とウェセックス王位を争ったが敗れ、王がマーシアのオファOffa王(796没、在位757~796)の娘をめとるやフランクのカール大帝の宮廷に亡命した。この亡命中フランクの発展した諸制度を見聞し、ベオルフトリック王の死後ウェセックス王となり、亡命中の見聞を王国の経営に生かした。825年エランダンの戦いでマーシアを破り、ケント、エセックス、サリーを支配し、829年ドーアの戦いでノーサンブリアを破り、838年にはデーン人と結合したブリトン人をも撃破して、ウェセックスによるイングランド統一の基礎を築いた。
[富沢霊岸 2022年11月17日]