朝日日本歴史人物事典 「藤原範季」の解説
藤原範季
生年:大治5(1130)
平安末・鎌倉前期の公卿。従四位下能兼の子。兄範兼の猶子となる。後白河院の近臣で,九条兼実にも仕えた。姪の範子と共に,高倉天皇の皇子尊成(後鳥羽天皇)を養育し,その即位にもかかわっていた。源頼朝の弟範頼を養子として育てたことから,武士の動向にも通じていたが,文治2(1186)年11月,源義経にくみしたことで解官された。娘重子(修明門院)が後鳥羽天皇との間に守成(順徳天皇)を生んだ直後の建久8(1197)年12月,後鳥羽天皇の侍読の労として従三位に叙され,さらに従二位に至ったが,政治的な活動はみられない。死後,順徳天皇の即位によって,左大臣正一位を追贈された。
(秋山喜代子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報