朝日日本歴史人物事典 「藤原苡子」の解説
藤原苡子
生年:承保3(1076)
平安後期の公家女性。大納言藤原実季と藤原睦子(経平の娘)の子。斎宮俊子内親王が養母。承徳2(1098)年,白河上皇の配慮により堀河天皇の女御となる。当時は堀河天皇に継嗣の生まれることが一心に待たれ,翌年苡子は懐妊するが,男子を流産。母や兄公実が寺社に皇子誕生の祈願を繰り返すなか,のちの鳥羽天皇となる宗仁親王を出産するが,その9日後に産後の不調から没する。宇治の木幡山陵に葬られる。嘉承2(1107)年鳥羽天皇の即位に伴い,皇太后を追贈された。<参考文献>橋本義彦『平安貴族社会の研究』
(渡辺晴美)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報