ガーナ王国(読み)ガーナおうこく(英語表記)Ghana(ancient)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ガーナ王国」の意味・わかりやすい解説

ガーナ王国
ガーナおうこく
Ghana(ancient)

西アフリカの貿易国家群のなかで,9~12世紀にかけて最も繁栄した最初の黒人王国。サハラ砂漠セネガル,ニジェール両川の上流にはさまれた地域に位置し,現ガーナ共和国とは異なる場所にあった。住民の主体はマンデ語を話すソニンケ族 (→マンデ諸族 ) で,北方のアラブ人やベルベル人の交易商人と南方の金や象牙の産地とを結ぶ仲介者の地位を占めた。 16~17世紀頃の年代記によると最初の王は黒人ではなく,建国は 300年頃であったとされている。8世紀のアラブ人の地理学者がこの国に言及しているが,最盛期については 1067~68年にアル・バクリーが詳しく記録している。その頃にはすでに黒人が支配していた。正式の国名はワガドゥー Wagaduであったが,通称のガーナは王の称号に由来する。国は部族連合から成っており,その他いくつかのガーナの名をもつ都市もあった。首都は一定せず,その1つとしてクンビ・サレーが知られる。 11世紀になると,サハラ砂漠のベルベル系イスラム諸部族の攻撃を受け,1076年にはモロッコムラービト朝により首都が陥落した。その支配は数年で終ったが,交易活動と農業は大きな打撃を受け,帝国は衰退した。 1203年には反乱を起したスス族が首都を占領し,さらに 40年マリンケ族のスンディアタによって首都は破壊され,マリ帝国に併合された。

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