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多良岳 たらだけ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

多良岳
たらだけ

佐賀県長崎県県境にあり,白山火山帯に含まれる円錐火山。頂上は佐賀県太良町に属する。火口爆裂のため臼状をなし,火口壁最高峰経ヶ岳(1076m),多良岳(983m)などの峰に分かれる。最下部は玄武岩,中層部は凝灰岩上層部安山岩からなる。放射状の谷が発達し,谷の下流部には集落,水田が開け,尾根の丘陵部には第2次世界大戦後ミカンやチャ(茶)の栽培が増加した。上層部には山林,原野が多く,ウシの放牧が行なわれる。多良岳の頂上には空海ゆかりの名刹金泉寺や多良岳権現の小祠があり,中世山伏の修験場となっていた。多良岳県立自然公園に属する。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

多良岳

佐賀と長崎の県境に位置する標高996メートルの山。中腹にある金泉寺は、9世紀に弘法大師が開いたと伝えられ、登山道は真言宗修行僧の修験場だったとされる。四季折々の山野草が楽しめることから九州各地や関西から多くの登山客が訪れる。山頂近くまで車で行け、標高も低いことから初心者には人気の山だが、ベテランの登山者は「登山道は険しく、上級者向けの山でもある」と口をそろえる。

(2010-08-30 朝日新聞 朝刊 佐賀全県 1地方)

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デジタル大辞泉の解説

たら‐だけ【多良岳】

長崎・佐賀両県にまたがる火山群主峰。標高996メートルで山頂付近に多良岳神社や金泉寺がある。最高峰の経ヶ岳は1076メートル。

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百科事典マイペディアの解説

多良岳【たらだけ】

佐賀・長崎県境にある成層火山。経ヶ岳(1076m),五家原(ごかばる)岳(1057m),烏帽子(えぼし)岳などの外輪山に囲まれた中央火口丘で,標高996m。下部は玄武岩,中層は凝灰岩,上層は安山岩を主とする。
→関連項目小長井[町]高来[町]太良[町]

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世界大百科事典 第2版の解説

たらだけ【多良岳】

長崎・佐賀県境に位置する火山群。広大なすそ野は西は大村湾,東は有明海まで達しており,遠望すると一大成層火山の形態を示す。山体上部には東西6.5km,南北4kmにおよぶ凹地形があるが,これがカルデラであるか,単なる浸食地形であるかは不明。この凹地形の縁をなすように,遠目岳(849m),最高峰の経ヶ岳(1076m),多良岳(983m),五家原(ごかばる)岳(1058m)などの峰が連なる。山体主部はおもに角セン石安山岩質の火砕岩類と溶岩からなるが,山麓には基盤岩類とともに新期の玄武岩質溶岩が分布しており,有明海に面した竹崎スコリア(岩屑)丘の形態をとどめている。

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日本の地名がわかる事典の解説

〔佐賀県(長崎県)〕多良岳(たらだけ)


佐賀・長崎県境にある多良岳火山群の総称。狭義にはその外輪山東部の佐賀県側に位置する一峰(標高996m)をさす。火山群の最高峰は経ヶ(きょうが)岳(同1076m)。山体は開析が進み、西腹の黒木(くろき)渓谷などの奇勝がみられる。山頂部にはシャクナゲ・ツツジ群落が繁茂。多良岳山頂西の長崎県側にある金泉(きんせん)寺は多良岳権現(ごんげん)として名高い。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

多良岳
たらだけ

佐賀・長崎両県にまたがる多良火山群の主峰。標高996メートル。頂上は佐賀県藤津(ふじつ)郡太良(たら)町に属する。多良岳信仰や修験道(しゅげんどう)の霊場で知られた名山。多良火山は、東は有明(ありあけ)海、西は大村湾に臨む円錐(えんすい)形の死火山であるが、山頂付近には、多良岳、経(きょう)ヶ岳(1076メートル)、五家原(ごかわら)岳(1057メートル)の三つの主峰がある。8世紀の『肥前国風土記(ひぜんのくにふどき)』にみえる塩田(しおた)川水源の「託羅(たら)の峰」は、多良岳北西方に続く多良火山地をさす。多良岳の凝灰角礫岩(かくれきがん)などの裾野(すその)は鹿島(かしま)市や太良町の佐賀県側有明海岸に広がり、放射谷のみごとな発達をみる。この裾野は国営多良岳パイロット事業で脚光を浴び、谷と谷との間の山林・原野などはミカン園などに急速に開発された。裾野末端の有明海岸に長崎本線や国道207号が通ずる。輝石安山岩類などの多良岳中腹奥地はスギ、ヒノキなどの林業地をなし、多良岳横断林道もできた。佐賀・長崎両県とも多良火山地一帯を多良岳県立自然公園に指定している。多良岳山頂付近は多良岳神社や金泉(きんせん)寺などがある霊場で登山者が多く、また山腹にはススキの風配(かざはや)高原や、長崎県側の轟ノ滝(とどろきのたき)などの景勝地がある。東方裾野の太良町大浦(おおうら)で1962年(昭和37)7月、山崩(やまくず)れの大災害を経験した。多良岳民謡「岳(たけ)の新太郎(しんたろう)(ザンザ節)」などが知られる。[川崎 茂]

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世界大百科事典内の多良岳の言及

【小長井[町]】より

…人口6797(1995)。多良岳の南東斜面に位置し,南東は有明海に臨む。農業が主産業で,1960年代以降ミカン栽培,乳牛,肉牛の飼養,養豚などが導入され農業の基幹をなしている。…

※「多良岳」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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