藤原陳忠(読み)ふじわらの のぶただ

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「藤原陳忠」の解説

藤原陳忠 ふじわらの-のぶただ

?-? 平安時代中期の官吏
藤原元方の子。信濃守(しなののかみ)の任期をおえて都へもどるとき,東山道の神坂(みさか)峠で馬ごと谷に転落従者が籠(かご)をおろすと,はじめは籠一杯のヒラタケをひきあげさせ,2度めにヒラタケを片手にもってあがってきたという(「今昔物語集」)。国司強欲をしめす説話として有名。
格言など】受領は倒るる所に土をつかめ(「今昔物語集」)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「藤原陳忠」の意味・わかりやすい解説

藤原陳忠
ふじわらののぶただ

平安時代,大納言元方の子。正五位下。信濃守の任を終えての帰途谷に落ちたが,引上げられたとき,谷底に生えていた平葺を持てるかぎりかかえており,家来たちに「『受領は倒るるところに土をつかめ』というものを」と言ったという。この『今昔物語集』中の説話は,受領の貪欲さを表わすものとして著名

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旺文社日本史事典 三訂版 「藤原陳忠」の解説

藤原陳忠
ふじわらののぶただ

生没年不詳
平安時代の貪欲な受領 (ずりよう) の典型
信濃守。『今昔物語集』に「受領は倒るるところに土をつかめ」と言ったとあるので知られる。

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