朝日日本歴史人物事典 「藤堂高通」の解説
藤堂高通
生年:正保1(1644)
江戸前期の大名。伊勢国(三重県)久居藩の初代藩主。父は津藩主藤堂高次,母は多羅尾光誠の娘。伊勢国津生まれ。通称学助。佐渡守。寛文3(1663)年,部屋住知行として1万石余を与えられる。9年兄高久より伊勢6郡,大和4郡,山城1郡の内,5万石を分封された。翌年,一志郡野辺村に居所を定めて久居と称し,城下町を建設した。久居藩は津藩の支藩で,本藩の家系が断絶しないように設立された藩であったから,藩制も本藩の制度を踏襲した。高通は文人として知られ,和歌を嗜み,俳人北村季吟とも親交があり,俳号は任口。任口編・季吟判『百番俳諧発句合』(1679)がある。久居で死去。
(長谷川成一)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報