藤白神社(読み)ふじしろじんじや

日本歴史地名大系 「藤白神社」の解説

藤白神社
ふじしろじんじや

[現在地名]海南市藤白

藤白山系の山地の北麓、古代・中世熊野街道に東の入口を開き、近世の熊野街道に対しては、北の鳥居がある。祭神饒速日にぎはやひ命ほか六柱。旧県社。古くは藤白王子・藤代王子と記され、熊野九十九王子の一。県指定史跡。「吉記」承安四年(一一七四)九月二五日条には「於藤代王子行里神楽、給白米、又給飯一具和泉家憲所送也如法行之」とあり宿泊はしていないが、藤原定家は「後鳥羽院熊野御幸記」建仁元年(一二〇一)一〇月八日条に「次参祓戸王子、次入藤白宿不及御所、三町許小宅也、窮屈平臥」、翌九日条に「天晴、朝出立頗遅々間、已於王子御前有御経供養等云々、雖営参白拍子之間、雑人多立隔無路、強不能参逐電、攀昇藤代坂」と記している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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