蘆田伊人(読み)アシダ コレト

20世紀日本人名事典 「蘆田伊人」の解説

蘆田 伊人
アシダ コレト

明治〜昭和期の歴史地理学者 東京帝大史料編纂掛。



生年
明治10(1877)年9月28日

没年
昭和35(1960)年6月6日

出生地
福井

学歴〔年〕
国学院〔明治33年〕中退,早稲田大学史学及英文学科〔明治37年〕卒

経歴
明治31年国学院に入学するが33年に退学し、早稲田大学史学及英文学科に転学、歴史地理学者吉田東伍の教えを受けた。37年に同大学を卒業後に青森県立中学教師となり、次いで志願して東京歩兵第三連隊に入隊。39年東京帝国大学史料編纂官補となり第六編部(南北朝時代)を編纂、44年に職を辞したあとは三井男爵家編纂室嘱託として同家の遠祖史料を調査、さらに大正6年松平子爵家の依嘱によって松平春嶽公記念文庫の設立とその伝記編纂に従事し、昭和2年から15年にかけては旧小浜藩主酒井家の要請で同家の編纂部主任を務めた。その間、吉田東伍らの指導のもと歴史地理学の研究にも従事し、古地図や地誌を収集、江戸時代における大名領地の沿革調査、宮内省の依嘱を受けての帝室御料地の沿革調査、日本村落の歴史地理的研究などを行った。また日本歴史地理学会の同人として『歴史地理』に多く論文寄稿、「大日本読史地図」を作成刊行や「大日本地誌大系」の編纂刊行にも尽力。晩年東京で戦災に、福井で地震に遭い、長野県諏訪市に移住した。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「蘆田伊人」の解説

蘆田伊人 あしだ-これと

1877-1960 明治-昭和時代の歴史地理学者。
明治10年9月28日生まれ。東京帝大史料編纂(へんさん)所につとめたのち,三井男爵家,小浜酒井家などの史料編修に従事。この間吉田東伍,喜田貞吉(きた-さだきち)に師事し,「大日本読史地図」「大日本地誌大系」を刊行した。昭和35年6月6日死去。82歳。福井県出身。早大卒。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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