虎は死して皮を残し人は死して名を残す(読み)とらはししてかわをのこしひとはししてなをのこす

精選版 日本国語大辞典 の解説

とら【虎】 は 死(し)して皮(かわ)を=残(のこ)し[=留(とど)め]人(ひと)は死(し)して名(な)を=残(のこ)す[=留(とど)む]

  1. 獣の王者である猛虎は、死後も皮となって珍重されるが、人はその死後に残した名誉や功績で評価される。人は死して名を留む。〔古来風体抄(1197)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

故事成語を知る辞典 の解説

虎は死して皮を残し、人は死して名を残す

人は、死んだ後に名声が残るような生き方をすべきである、ということ。

[使用例] 生田春月の遺書は、やりびても名は錆びぬ。虎は死して皮を残し、詩人は死して名を残すというのであった[萩原朔太郎*絶望の逃走|1935]

[由来] 「新五代史おうげんしょう伝」に出て来る話から。九~一〇世紀、唐王朝が滅びる前後の時代の中国の武将、王彦章は、教養はありませんでしたが、人柄は誠実でした。「ひょうは死して皮をとどめ、人は死して名を留む(ヒョウが死後、美しい毛皮を遺すように、人は死後、立派な名前が長く残るようでありたい)」と、口癖のように言っていたそうです。

〔異形〕豹は死して皮を留め、人は死して名を留む。

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