日本大百科全書(ニッポニカ) 「虎林」の意味・わかりやすい解説
虎林
こりん / フーリン
中国、黒竜江(こくりゅうこう)省東部の県級市。ロシア連邦との国境の西方約30キロメートル、ウスリー川の支流穆棱河(ぼくりょうが)の下流域に位置し、林東線(林口(りんこう)―東方紅(とうほうこう))が通じる。鶏西(けいせい)地級市に属する。常住人口28万8086(2012)。1910年虎林庁が設置され、1913年虎林県と改められ、1996年虎林市となった。周辺は広大な低湿地で、ジャガイモ、米、トウモロコシ、アワ、コウリャン、小麦、大豆、アサ類を産し、穆棱河のサケは特産である。
古来、国境紛争が多発した地で、市内に1969年中国とソ連の軍隊が衝突事件を起こした珍宝島(ちんほうとう)(ロシア名、ダマンスキー島)がある。
[浅井辰郎・編集部 2017年7月19日]