(読み)ケン

デジタル大辞泉 「虔」の意味・読み・例文・類語

けん【虔】[漢字項目]

[音]ケン(漢) [訓]つつしむ
つつしみ深くする。「虔恭敬虔

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「虔」の読み・字形・画数・意味


10画

[字音] ケン
[字訓] つつしむ

[説文解字]
[金文]

[字形] 会意
虍(こ)+(文)。虍は虎。虎文をいう字。〔説文〕五上に「虎の行く皃なり」とし、(ぶん)声とするが、声義ともに合わない。金文に「夙夜を虔(つつし)む」「虔みて(おと)さず」の語が習見し、字をまたに作る。〔秦公鐘(しんこうしよう)〕に「が祀を虔し、~夙夕を(つつし)まん」、また〔叔夷(しゆくいはく)〕に「厥(そ)の死(司)事を(けんじゅつ)せよ」という。古く虎皮を用いる儀礼があったのであろう。はおそらく文身の文。神判において勝訴をえた解(かいたい)に文身の心字形を加えて慶とするように、虎皮に文を加えて神意につかえ、神意にかなう意を示したものと思われる。

[訓義]
1. つつしむ、心ただしいさま。
2. ただしい、かたい。
3. と通じ、ころす。
4. と通じ、かしこい、さとい。
5. と通じ、あなどる。

[古辞書の訓]
名義抄〕虔 ツツシム・ウヤマフ・シフ・サトル・マコト・カタシ 〔字鏡集〕虔 ツヨクトル・トラノユクカタチ・カタシ・メグム・マコト・サトル・トマル・コロス・ウヤマフ・ツツシム・スクナシ・アヤマル

[声系]
〔説文〕に虔声として走部の字など三字を収めるが、特に古意を存するものはない。

[語系]
虔gian、kianは声近く、は獣牲を清めるための割勢をいう。kiuen、keat、羯kiat、(割)katもみなその意があり、虔はその方法を異にするとしても、やはり聖化・修祓に関する字であろう。ゆえに虔をその本義とする字である。

[熟語]
虔恪虔祈・虔恭・虔虔勤虔謹虔敬虔潔虔告虔懇虔祗・虔修虔粛虔竦・虔心虔誠・虔切虔婆虔奉虔劉
[下接語]
恪虔・恭虔矯虔・敬虔・粛虔

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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