虻蜂取らず(読み)アブハチトラズ

精選版 日本国語大辞典 「虻蜂取らず」の意味・読み・例文・類語

あぶはち【虻蜂】 取(と)らず

  1. あれもこれもと、両方をねらってどちらもだめになる。あまり欲を深くしてかえって失敗すること。虻も取らず蜂も取らず。
    1. [初出の実例]「悪くすると虻蜂(アブハチ)取らずに、ならうも知れねえやス」(出典:人情本・花の志満台(1836‐38)四)

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ことわざを知る辞典 「虻蜂取らず」の解説

虻蜂取らず

二つのものを手に入れようとして、結局、どちらも中途半端に終わり、何も得られないことのたとえ。

[使用例] いろんなことができますと非常に移り気になって、これもやってみよう、あれもやってみようということになる。それが苦もなくできますと、かえってアブハチとらずになる[湯川秀樹*この地球に生れあわせて|1975]

[解説] 古くは、「虻も取らず蜂も取らず」といいました。虻と蜂は外見が似ていて、蜂が蜜などの利用価値があるのに対し、虻は病を媒介する有害無益なものでした。では、なぜ虻も取ろう蜂も取ろうとするのか、実のところ、ことわざだけではよくわかりません。かつてはよく使われた表現ですが、西洋から入ってきた「二兎を追う者は一兎をも得ず」にしだいに取ってかわられようとしています。

[類句] 二兎を追う者は一兎をも得ず

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