蛟竜雲雨を得る(読み)こうりゅううんうをえる

故事成語を知る辞典 「蛟竜雲雨を得る」の解説

蛟竜雲雨を得る

まだ世に出ていなかった才能のある人物が、時を得て、実力を発揮することのたとえ。

[使用例] 今はこんなことをやっているが、蛟竜永久ちゅうのものじゃない、今に改めてお目にかかるから、よろしくいってくれ[尾崎士郎*人生劇場望郷篇|1952]

[由来] 「三国志書―しゅう伝」に見える話から。三世紀、後漢王朝末期の中国でのこと。呉の国の将軍周瑜は、けいしゅう(現在の湖北省)で勢力を蓄えつつあるりゅうを警戒していました。そこで、主君そんけんに向かって、「このまま『蛟竜の雲雨を得て(水底に潜んでいる竜が、雲が雨を降らせるというチャンスをつかんで)』、池から飛び出して天に昇ってしまうと、たいへんです」と忠告をしました。しかし、結局、劉備しょく(現在の四川省)という国を手に入れ、呉の強力なライバルとなったのでした。

[解説] 「蛟竜」は「こうりょう」と読むこともあります。

出典 故事成語を知る辞典故事成語を知る辞典について 情報

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