雌伏(読み)シフク

デジタル大辞泉 「雌伏」の意味・読み・例文・類語

し‐ふく【雌伏】

[名](スル)雌鳥雄鳥に従う意から》人に屈伏して従うこと。また、実力を養いながら活躍機会をじっと待つこと。「雌伏して時の至るを待つ」「雌伏八年」⇔雄飛

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精選版 日本国語大辞典 「雌伏」の意味・読み・例文・類語

し‐ふく【雌伏】

  1. 〘 名詞 〙 ( 雌鳥が雄鳥に服従する意 ) 人に屈服すること。また、服従しながら、活躍できる機会の来るのをじっと待つこと。現在では、今の状況に身を置きながら、活躍の機会を待つことにいう。⇔雄飛(ゆうひ)
    1. [初出の実例]「而近代各称其雄飛之詞、已無其雌伏之体」(出典明衡往来(11C中か)中本)
    2. 「雌伏して地の上をはいまはることはいやとて棄官去也」(出典:寛永刊本蒙求抄(1529頃)四)
    3. [その他の文献]〔後漢書‐趙典〕

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故事成語を知る辞典 「雌伏」の解説

雌伏

他人の言いなりになって働くこと。転じて、実力を養いながら、活躍の機会をじっと待つこと。

[使用例] 抜擢しようとすれば、教育界にもその他の社会にもそれだけの実力を抱きながら、空しく雌伏している人材は無数にあります[与謝野晶子*三面一体の生活へ|1918]

[由来] 「後漢書ちょうおん伝」に見えることばから。二世紀、後漢王朝末期の中国でのこと。都の下級官僚だった趙温は、「一人前の男だったら『雄飛(人の上に立って活躍すること)』すべきだ、『雌伏(他人の下に甘んじていること)』なんてしていられるか」と述べて、辞職してしまいました。後に彼は、飢饉の時に私財を投じて庶民を救って名を挙げ、望み通り出世を遂げたということです。

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普及版 字通 「雌伏」の読み・字形・画数・意味

【雌伏】しふく

人の下に従う。また、世を退き隠れる。唐・羅隠旅舎に懐を書し、知る所に寄す、二首、一〕詩 沒(こつぼつ)に從(よ)りて雌伏に甘んじ 跡は因循れてに陸沈す

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