蠅帽子峠(読み)はえぼうしとうげ

日本歴史地名大系 「蠅帽子峠」の解説

蠅帽子峠
はえぼうしとうげ

美濃から越前へ越える峠。根尾村の最も北にある大河原おおかわら集落から尾根伝いに北上したえつ(一一二九・三メートル)の右肩にある。峠を越すと蠅帽子川に沿って北へ下り福井県大野市下秋生しもあきうの集落に達する。拝星・這法師・這星とも記した。また「はいぼうし」「はえぼし」ともよんだ。文化六年(一八〇九)長島ながしま村から能郷のうご村を経て黒津くろつ村に至る長さ四千三六九間の新道ができ、さらに越前国大野藩の峠道修理と並行して、大垣藩は天保九年(一八三八)から黒津村と蠅帽子峠間に新道をつくる五ヵ年計画に着手した。経費は大河原越波おつぱ大井おおい松田まつだ(悪田)四ヵ村の段木を充てた。以後この道筋が越前への本街道となった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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