血達磨物(読み)ちだるまもの

改訂新版 世界大百科事典 「血達磨物」の意味・わかりやすい解説

血達磨物 (ちだるまもの)

歌舞伎狂言の一系統。細川家火災の際,重宝達磨の一軸を忠臣が血で守り,血染めの達磨となったという実録に取材した,男色とマゾヒズムモティーフの作品群。1712年(正徳2)京都布袋屋座《加州桜谷血達磨(かしゆうさくらがやつちのだるま)》が劇化嚆矢(こうし)で,これをうけて97年(寛政9)5月大坂角(かど)の芝居《浅草霊験記》(近松徳三作)が細川・秋田両家のお家騒動を背景に再構成し,大当りをとった。江戸へ移入されたのは1800年閏4月の市村座《男結盟立願(おとこむすびちかいのりゆうがん)》で,大筋は前作そのままの上演。さらに48年(嘉永1)8月中村座《高木織右武実録(たかぎおりえもんぶどうじつろく)》(3世桜田治助作),62年(文久2)8月市村座《月見曠(つきみのはれ)名画一軸》(河竹黙阿弥作)などがある。いずれの作も劇場が火を忌むため,実録にある火事のシーンは生まれなかったが,89年11月市村座《蔦模様血染御書(つたもようちぞめのごしゆいん)》(3世河竹新七作)にいたって,主人公大川友右衛門が火中に腹を切って御朱印を腹中に守る場面を演じ評判となった。
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