…また性すこぶる豪放で法度に拘泥せず,しかも謙虚に士を遇したので衆望をあつめたとも伝える。その謀反事件は新羅の僧行心(こうじん)の教唆から企てられ,川島皇子の密告で発覚したという(《懐風藻》)が,逮捕から処刑までの迅速さや大津以外の関係者がほとんど罪をえていない点などにより,事件が皇太子草壁とその母后鸕野(うの)皇女(持統天皇)側の策謀かともみられている。ただ気骨,力量人にすぐれたこの皇子に王位への野心がまったくなかったとするのも当を失する。…
※「行心」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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