[現在地名]伊那市大字西春近 表木
藤沢川の南、天竜川の氾濫原の西側、段丘崖下と段丘上に集落が発達し、南北に通ずる伊那往還に沿って街村をなしている。
温泉寺所蔵文書中の武田信玄書状には永禄四年(一五六一)一〇月晦日「仍当年奉寄附伊奈郡面木郷」とある。この「面木」は「表木」であろう。面木郷は諏訪社上社の氏子で、天正六年(一五七八)の諏訪社上社文書の上諏訪造宮帳にもその郷名が見える。
伊那往還が上の段丘から下の段丘に下りる坂を音徳寺坂というが、この坂の左手に表木城跡があり、右手下に下村の集落がある。
また西方藤沢川を越えて物見や城跡(一一二五・一メートル)がみえる。