表郷村(読み)おもてごうむら

日本歴史地名大系 「表郷村」の解説

表郷村
おもてごうむら

面積:六六・四八平方キロ

南に八溝やみぞ山系連山と、北に阿武隈川に挟まれた小群山があり、村の中央部を東流するやしろ川とその支流藤乃ふじの川・黄金こがね川流域に位置する。南は栃木県那須なす郡那須町、東白川郡棚倉たなぐら町、北はひがし村・白河市、東は棚倉町、西は白河市に隣接する。かつて当村は陸奥の玄関口である白河関、聖武天皇の命により国家鎮護の勅願寺として行基が開創したと伝える関山満願まんがん寺の所在地であったが、昭和三〇年(一九五五)白河関のある大字旗宿はたじゆく満願寺のある大字関辺せきべが白河市に編入された。当地は社川の河岸段丘の地味肥沃な地で古代から開け、白河関から北へ向かう奥州道中が通り、そこから金山かねやまを経て棚倉へ至り水戸へ達する街道、また磐城方面へ向かう道の起点であった。縄文時代の大岡おおおか遺跡、内松ないまつA・B遺跡、関前せきまえ遺跡があり、古墳時代の鶴子谷つるごだに古墳群・深渡戸ふかあど横穴古墳群・瀬戸原せとはら古墳群・建鉾山たてほこやま祭祀遺跡三森みもり祭祀遺跡がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報