減反政策(読み)げんたんせいさく

知恵蔵の解説

減反政策

コメの生産を抑制するための生産調整政策。生産過剰となったコメ生産量を調整し、コメの代わりに麦や大豆などへ転作させる。国が地方自治体を通じて農業者に生産目標量を配分し、転作支援の補助金を支給することによって調整を行う。農業者にコメの作付面積の削減を指示するものであることから、一般に「減反政策」と呼ばれる。試験的・緊急的な実施を経て、1971年度に本格導入され、半世紀にわたり日本の水田農業の構造的な対策として実施されたが、国による生産目標量の配分は2018年に廃止された。
コメの生産調整は、1960年代末にコメの生産が過剰となり古米の在庫増加が問題視される中で、国が生産目標量を定めて休耕・転作を奨励する対策として始まり、数年ごとに見直されて継続してきた。95年に食糧管理法が廃止され食糧法(主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律)が施行されると、生産調整はコメの需給均衡を図り価格を安定させる手段と位置付けられた。しかし、需要に応じた生産対応が進まない点や、生産調整への参加・不参加による不公平感、米価が下落し続けている点などの問題があり、2009年1月、当時の石破茂農林水産大臣が見直しの必要性に言及したことから、生産調整のあり方が議論された。その後の民主党政権の戸別所得補償制度では、生産調整の不参加者に対するペナルティーが廃止され、所得補償の補助金を受けずに自由に生産する選択肢ができた。更に政権交代を経て、13年に国が地方自治体を通じて農家ごとに主食米の生産量を割り当てて価格を維持する減反を5年後に廃止する方針を決定。生産調整に参加する農家への補助金を段階的になくすと同時に、転作補助金を増やして米価の急落を防ぎながら、農業者が自らの経営判断で生産できる農業を打ち出した。これにより18年産から国による目標量の配分はなくなったが、自治体や農協などが中心となり生産量の目安を示して急な増産を避けている。

(原田英美 ライター/2018年)

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

減反政策

国内で作るコメの価格が下がらないようにするため、国が主導してコメの生産量を減らす政策。国が生産目標を決め、自治体を通じて農家ごとに配分される。目標通りにつくると、コメの作付け10アール(約1反)あたり7500円の交付金が支給される。

(2017-10-04 朝日新聞 朝刊 新潟全県・2地方)

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百科事典マイペディアの解説

減反政策【げんたんせいさく】

日本では1964年から米消費は減少したが,農業技術の向上で米生産は増大し,食糧管理制度下で政府の在庫米が急増した。その対策として1969年以降に実施された政策で,作付制限と転作で米の生産調整(減反)がはかられた。国が減産面積を都道府県に割りあて,さらに市町村農家へ一律に減反させ,1997年に36%余の水田96.3万haが休耕・転作となった。さらに米の貿易自由化などの圧力も加わり,1990年代も従来どおりの減反方式が支配的であった。しかし,強制一律の減反がもたらした農業現場への深い傷にかんがみ,農林水産省は強制的な生産調整を2000年から廃止することを決定した。→ウルグアイ・ラウンド
→関連項目水田総合農政農業農業構造改善事業

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