袈裟衣(読み)けさころも

精選版 日本国語大辞典 「袈裟衣」の意味・読み・例文・類語

けさ‐ころも【袈裟衣】

  1. 〘 名詞 〙 袈裟と衣。本来、袈裟は三衣(さんえ)のことで、衣(ころも)であるが、中国およびわが国などでは、袈裟のほかに別に法衣を着るところから、この称を生じた。
    1. [初出の実例]「法師の形として袈裟衣(ケサコロモ)をきながら、此悪行を企つる事返々(かへすがへす)不思議也とて」(出典:米沢本沙石集(1283)七)

けさ‐ぎぬ【袈裟衣】

  1. 〘 名詞 〙けさ(袈裟)
    1. [初出の実例]「すいしゃうのずず、うすずみ、けさきぬなどいみじく」(出典:能因本枕(10C終)二五六)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

山川 日本史小辞典 改訂新版 「袈裟衣」の解説

袈裟衣
けさい

横幅衣とも。弥生時代男子服装。「魏志倭人伝」に「其の衣は横幅にして,ただ結束して相い連ね,ほぼ縫うことなし」とあるように,布を裁縫することなく体に巻きつけ,結びとめるという。僧侶の袈裟に類似していることにより命名されたもので,実際に当時袈裟衣と呼称されていたわけではない。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

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