三衣(読み)サンエ

デジタル大辞泉 「三衣」の意味・読み・例文・類語

さん‐え【三衣】

連声れんじょうで「さんね」とも》僧が着る3種の袈裟けさ僧伽梨そうぎゃり大衣だいえ九条)・鬱多羅僧うったらそう上衣七条)・安陀会あんだえ(中衣・五条)。また、一般に法衣ほうえ

さん‐ね〔‐エ〕【三衣】

さんえ」の連声れんじょう

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精選版 日本国語大辞典 「三衣」の意味・読み・例文・類語

さん‐え【三衣】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「え」は「衣」の呉音連声(れんじょう)で「さんね」とも )
  2. 僧の着る大衣(だいえ)、七条、五条の三種の袈裟(けさ)のこと。大衣は街や王宮に赴く時に、七条は聴講布薩などの時に、五条は就寝作務(さむ)などの時に着る。→三衣一鉢
    1. [初出の実例]「有司、便に尼等の三衣を奪ひて、禁錮(からめとら)へて」(出典日本書紀(720)敏達一四年三月)
    2. [その他の文献]〔南海寄帰内法伝‐四〕
  3. を着る者。僧侶
    1. [初出の実例]「三衣(さんヱ)に似合ぬ麦盗人、子細を申せとねめ付る」(出典:浄瑠璃・吉野都女楠(1710頃か)二)
    2. [その他の文献]〔大乗義章‐一五〕

さん‐ね‥エ【三衣】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「さんえ」の連声 ) ⇒さんえ(三衣)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「三衣」の意味・わかりやすい解説

三衣
さんえ

インド比丘(びく)が身につけた3種の衣服。「さんね」ともいう。僧伽梨衣(そうぎゃりえ)(九条から二十五条までの布で製した袈裟(けさ)。大衣)、鬱多羅僧衣(うったらそうえ)(七条の袈裟。上衣)、安陀会(あんだえ)(五条の袈裟。下衣)のことをいう。

[川口高風]

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普及版 字通 「三衣」の読み・字形・画数・意味

【三衣】さんい

僧衣。

字通「三」の項目を見る

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「三衣」の意味・わかりやすい解説

三衣
さんえ

三衣一鉢」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の三衣の言及

【袈裟】より

…もともとは色名で,壊色(えしき),濁色(じよくしよく)などと訳される。インドの仏教僧団で,不用になったり,捨てられた長短の布片を縫い合わせて,僧尼の着用すべきものとして制定された3種類の衣(三衣(さんえ))を袈裟と称した(図)。すなわち僧伽梨(そうぎやり),鬱多羅僧(うつたらそう)と安陀会(あんだえ)の三つである。…

【三衣一鉢】より

…〈さんねいっぱつ〉などともいう。三衣とは,一番下に身に着けるアンタルバーサantarvāsa(下衣。安陀会(あんだえ)と音写される),その上に着るウッタラーサンガuttarāsaṅga(大衣。…

【僧】より

…僧が葬儀に際し読経して死者の冥福を祈ることは日本の場合と同じであるが,上座部仏教国においては,家屋の新築,結婚式などの祝儀に際しても,施主の功徳行のひとつとして僧侶を招いて食事を供養し,パリッタの読誦を行うことが多い。僧は定期的に剃髪し,三衣と呼ばれる黄色の衣をまとい,寺院に起居する。上座部仏教の僧は,たとえ一時的であっても,黄衣を脱いで一般人の服装をすることは許されない。…

※「三衣」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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