精選版 日本国語大辞典 「魏志倭人伝」の意味・読み・例文・類語
ぎし‐わじんでん【魏志倭人伝】
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中国の史書『三国志』の「魏書東夷伝(とういでん)」の倭人の条の俗称で、撰者(せんじゃ)は晋(しん)の陳寿(ちんじゅ)。3世紀の後半に成立。本書に書かれている倭の記事は、2~3世紀の時代に相当し、本書の成立の時代と接近しており、かなりの史実がみられると考えられるので、当時の日本および日本人の生活ぶりを知るのに重要な史料として位置づけられている。
本書には、朝鮮の帯方(たいほう)郡より倭の諸国に至る道程、地理的景観、風俗、物産、政治、社会などのようすが比較的詳細に書き留められている。またよく知られている邪馬台国(やまたいこく)やその国の女王卑弥呼(ひみこ)のことが、つぶさに記述されており、卑弥呼が「共立」されて王となったなど、当時の王のあり方を知るのに、またとない情報を提供してくれている。さらに邪馬台国の帯方郡や魏との交渉の次第や、狗奴(くな)国との戦いのようすも記されており、魏の皇帝の詔書に金印紫綬(しじゅ)を仮授させたこと、銅鏡100枚などを賜ったことなどに触れてあるのは、史料的にも見すごせない箇所となっている。末尾には、卑弥呼の死と、その後の倭国の混乱、そして卑弥呼の宗女壹与(いよ)の即位、さらに魏との通交のことが述べられている。
[佐伯有清]
『和田清・石原道博編・訳『魏志倭人伝・後漢書倭伝・宋書倭国伝・隋書倭国伝』(岩波文庫)』
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3世紀の邪馬台国,および2~3世紀の倭人の風習などが記されている中国の文献。《三国志》魏書東夷伝の中の一部を通称したもの。著者は西晋の陳寿(233-297)で,その成立は3世紀後半。陳寿とほぼ同時代の魚豢の撰になる《魏略》の記述を受けつぎ,邪馬台国の存在していた時代とは,それほど隔りのない時期に書かれたものであるから,その史料的価値は高い。倭人伝は,倭国の地理的位置づけから書きはじめられ,帯方郡より邪馬台国への道程,倭にあった諸小国の名称,倭人の生活風俗などが,かなり詳細に記述されている。なかでも女王の卑弥呼が共立によって王となったありさま,邪馬台国の政治のあり方,卑弥呼の王としての姿が活写されており,また239年(魏の景初3)から247年(正始8)までの魏との通交のことが克明に書きとめられている。邪馬台国までの日程,距離の記述の解釈には難解さがあって,同国の所在をめぐる〈邪馬台国論争〉は未解決。
執筆者:佐伯 有清
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陳寿(ちんじゅ)撰の「三国志」の一書「魏書」の東夷伝の倭人(わじん)条のこと。「魏志倭人伝」は通称。成立は3世紀後半で,宋の范曄(はんよう)撰「後漢書」より1世紀以上早く,史料価値は高い。内容は,邪馬台国(やまたいこく)を中心とする3世紀の倭人社会に関するもので,まず,帯方郡から邪馬台国までの道程と途中の国名を記す。その記述に距離と方角の点で矛盾があるため,江戸時代から邪馬台国の比定地をめぐって,畿内説と北九州説が対立している。続いて,倭人の風俗,女王卑弥呼(ひみこ)の鬼道や男弟の存在など邪馬台国のようす,さらに魏と邪馬台国の交流を記している。とくに卑弥呼を親魏倭王としたとあるのは,周辺民族としてはきわめて異例なものとして注目されている。「岩波文庫」所収。
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…その所在地は,北部九州とも畿内大和ともいわれている。《魏志倭人伝》の版本に〈邪馬壹国〉とあるので,〈邪馬壱(壹)国(やまいちこく)〉とするのが正しいとする説があるが,中国の古い諸書に引用された《魏志》には〈邪馬臺(台)国〉とあるので,〈邪馬壱国〉説は疑わしい。《魏志倭人伝》によると,邪馬台国は,女王の都する所で,官に伊支馬(いきま),弥馬升(みましよう),弥馬獲支(みまかくき),奴佳鞮(ぬかてい)の四つがあり,7万余戸の人口があったという。…
※「魏志倭人伝」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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