袋角(読み)フクロヅノ

デジタル大辞泉 「袋角」の意味・読み・例文・類語

ふくろ‐づの【袋角】

生え替わったばかりのシカの角。皮膚で覆われ、柔らかいこぶ状をしている。 夏》雨後の木々夕日をこぼす―/綾子

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精選版 日本国語大辞典 「袋角」の意味・読み・例文・類語

ふくろ‐づの【袋角】

  1. 〘 名詞 〙 夏、新しく生えかわったばかりの鹿の若角。皮膚をかぶって、それが袋に似た状態であるところから。《 季語・夏 》
    1. [初出の実例]「鹿茸は鹿のふくろづのを云ぞ」(出典:玉塵抄(1563)五)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「袋角」の意味・わかりやすい解説

袋角
ふくろづの

偶蹄類のシカ類の角は毎年落ちるが,抜けたあとから出てくる角を袋角という。いちばん外側は毛の生えた皮膚におおわれ,その内側血管があり,栄養を補給してその中心骨質が形成される。十分伸長すると血液が止り,外側の皮膚は死んで乾燥する。シカは角を木の枝などにこすりつけてこれを落してしまい,全部が骨質の角となる。

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世界大百科事典(旧版)内の袋角の言及

【角】より

…枝角は,皮膚で覆われた頭骨の突起(角座)に乗っていて,普通春になると接合部が崩壊して脱落する。角が落ちると,直ちに角座の先端部の皮膚が延びて,袋角(ふくろづの)を形成する。袋角は血管に富んだ軟らかい角で,ビロード状の毛を密生した皮膚で覆われている。…

※「袋角」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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