被さる(読み)カブサル

デジタル大辞泉 「被さる」の意味・読み・例文・類語

かぶさ・る【被さる】

[動ラ五(四)]
かぶせたようになる。覆いかかる。「髪が額に―・る」「現実思い出が―・る」「二つの音が―・り合う」
負担がわが身に及ぶ。「余分な仕事が―・ってくる」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「被さる」の意味・読み・例文・類語

かぶさ・る【被】

  1. 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙
  2. ある物の上におおうようになる。上に重なる。
    1. [初出の実例]「商もゆるりと内の納りて〈芭蕉〉 山のかぶさる下市の里〈子珊〉」(出典:俳諧・別座鋪(1694))
    2. 「原稿紙にかぶさりかかってゐた体を起すと」(出典:杏の落ちる音(1913)〈高浜虚子〉六)
  3. 水などを上から浴びる。
  4. ある音声に他の音声が添い加わる。
    1. [初出の実例]「おかしいところはおなじで、それにかぶさって、さらに、第一生命ホールの、客席のナマの笑い声が重なる」(出典:巷談本牧亭(1964)〈安藤鶴夫〉会いろいろ)
  5. ある物事が負担や圧迫となって及んでくる。
    1. [初出の実例]「長い沈黙が三人の上に被(カブ)さった」(出典:地に頬つけて(1915)〈谷崎精二〉四)

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