谷崎精二(読み)タニザキセイジ

デジタル大辞泉 「谷崎精二」の意味・読み・例文・類語

たにざき‐せいじ【谷崎精二】

[1890~1971]小説家・英文学者。東京の生まれ。潤一郎の弟。はじめ文芸同人雑誌「奇蹟」に、のち「早稲田文学」に作品を発表する。小説に「離合」「地に頰つけて」など。また、ポー翻訳なども手がけた。

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百科事典マイペディア 「谷崎精二」の意味・わかりやすい解説

谷崎精二【たにざきせいじ】

小説家,評論家,英文学者。東京生れ。谷崎潤一郎の弟。早大英文科卒。広津和郎葛西善蔵らを同人とする《奇蹟》に参加。《蒼き夜と空》《地に頬つけて》など,体験をもとにした発電所物で文壇に認められる。1921年より早大文学部で教鞭をとり,1935年から第3次《早稲田文学》編集主幹。小説に《離合》など,評論・研究に《文学の諸問題》《小説形態の研究》などがある。またポーをはじめとして翻訳も多数。
→関連項目早稲田派

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「谷崎精二」の意味・わかりやすい解説

谷崎精二
たにざきせいじ
(1890―1971)

小説家、英文学者。東京生まれ。潤一郎の弟。早稲田(わせだ)大学英文科卒業。広津和郎(ひろつかずお)、葛西善蔵(かさいぜんぞう)らとともに『奇蹟(きせき)』の同人。新早稲田派として、自然主義衰退期に生活体験に根ざした堅実なリアリズム小説を発表。作品集に『生と死の愛』(1917)、『地に頬(ほお)をつけて』『離合』『失はれた愛』など。『ポオ小説全集』のほか多くの訳業や評論集もある。早大の教壇に立ち、第三次『早稲田文学』を復刊した。文学博士。早大名誉教授

[千葉俊二]

『『谷崎精二選集』全一巻(1960・校倉書房)』

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「谷崎精二」の解説

谷崎精二 たにざき-せいじ

1890-1971 大正-昭和時代の小説家,英文学者。
明治23年12月19日生まれ。谷崎潤一郎の弟。大正4年「地に頬つけて」などで文壇に登場し,「離合」「静かなる世界」などを発表。第3次「早稲田文学」編集主幹をつとめ,のち母校早大の教授。ポーの全小説を翻訳した。昭和46年12月14日死去。80歳。東京出身。著作に「文学の諸問題」「小説形態の研究」など。

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