被衣ぞめ(読み)かつぎぞめ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「被衣ぞめ」の意味・わかりやすい解説

被衣ぞめ
かつぎぞめ

女子が初めて被衣をつける儀式。正しくは「かづきぞめ」。平安時代ごろから貴族上層階級婦人が、外出するときに頭から衣類を被(かぶ)って顔を現さないようにする風習があったが、婚礼葬式以外の場合は早く消滅した。婚礼の被衣は綿帽子や角隠しに移行し、葬式には着物の左袖(そで)を被ったり布片を用いるようになった。葬式の場合は晴の機会の礼装の意味ばかりでなく、服喪を表すしるしが合体している。被衣ぞめの儀式は、女性としての成長段階を示す儀礼の一つで、本来は成女となり、結婚の資格を得たことを表したものであろうが、男児袴着(はかまぎ)に対して、女児が5歳ごろの11月吉日に祝うことが多い。

[井之口章次]

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