装潢(読み)ソウコウ

デジタル大辞泉 「装潢」の意味・読み・例文・類語

そう‐こう〔サウクワウ〕【装×潢】

《「潢」は紙を染める意》書画表装すること。
「―すこぶる美にして」〈鴎外渋江抽斎

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精選版 日本国語大辞典 「装潢」の意味・読み・例文・類語

そう‐こうサウクヮウ【装&JISEC4C;】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「こう」は「潢」の漢音。「潢」は紙を染める意 ) 書画幅または書物の表装をすること。また、その職人表具。そうおう。
    1. [初出の実例]「頭一人。〈略〉装潢手四人。〈掌潢経籍〉」(出典令義解(718)職員)
    2. 「賜りし六経は、汲古閣の善本にて、装潢并に書凾、鎖鑰(さやく)等善尽し美尽せし所」(出典:随筆・折たく柴の記(1716頃)上)

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世界大百科事典(旧版)内の装潢の言及

【経師】より

…写経生(しよう)。写経の校正にあたるものは校生,用紙の仕立てや装丁にあたるものは装潢(そうこう)と呼び,経師とはその任務を異にした。官の経師は,厳重な書体の審査をへて優秀なものが選抜され,採用されると作業用の浄衣(じようえ)(白衣)と食事(精進料理),ならびに筆墨の支給を受けて,写経殿という場所に起居した。…

【経師屋】より

…写経司(写経所)などに属する場合もあり,民間で活動する者もあった。写経司には,ほかに校生,装潢(そうこう)などの専門技術者がいた。装潢とは表装のことである。…

【表具・表装】より

…書蹟や絵画などの鑑賞や保存のため,裂地(きじ)や紙などを補って,掛軸,額,屛風,襖,衝立,巻物,冊子,帖など各種の形式に仕立てることをいう。奈良・平安時代には装潢(そうこう)といい,おもに経巻の表装が行われた。鎌倉時代に入ると裱褙(ひようほえ)と呼ばれ,書画の表装を専門に行う裱褙師が出現し,経巻の表装には経師(きようじ)が当たった。…

※「装潢」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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