六経(読み)リッケイ

デジタル大辞泉 「六経」の意味・読み・例文・類語

りっ‐けい〔リク‐〕【六経】

儒教で貴ぶ六種経典。すなわち「易経えききょう」「書経しょきょう」「詩経しきょう」「春秋」「礼記らいき」「楽経がくけい」。のち「楽経」が亡んだので、かわりに「周礼しゅらい」を加えて六経という。六籍りくせき六芸

りく‐けい【六経】

りっけい(六経)

ろっ‐けい〔ロク‐〕【六経】

りっけい(六経)

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精選版 日本国語大辞典 「六経」の意味・読み・例文・類語

りっ‐けいリク‥【六経】

  1. [ 1 ] 人体をめぐる経脈。転じて、医学の基礎知識を備えること。
    1. [初出の実例]「経典は、たとへば医士の素難の旨を学び、運気、六経をさとりたるに同じ」(出典:読本・春雨物語(1808)天津処女)
  2. [ 2 ] 儒学根幹となる六種の経書。すなわち、詩、書、易、春秋、礼、楽。また、経書全体をいう。この中、楽経は秦の焚書に滅びたとされ、残る五種を「五経」と総称する。六籍(りくせき)。六芸(りくげい)。ろっけい
    1. [初出の実例]「不遇時ほどに、千年万年後まで六経なんどがのこったぞ」(出典:百丈清規抄(1462)四)
    2. [その他の文献]〔荘子‐天運〕

りく‐けい【六経】

  1. 〘 名詞 〙りっけい(六経)

ろっ‐けいロク‥【六経】

  1. りっけい(六経)[ 二 ]

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改訂新版 世界大百科事典 「六経」の意味・わかりやすい解説

六経 (りくけい)
Liù jīng

中国人が民族古典と考える6種の書物。ふつう《易》《書》《詩》《礼》《楽》《春秋》をいい,古く滅びた楽経を除いて五経ともいう。〈経〉は字源的には〈織物のたて糸〉の形象にもとづき,転じて,〈すじみち〉〈つねなるもの〉を意味する。人間の理想態たる聖人・先王が作ったと確信されるがゆえに,人間生活の規範のすべてがそこに求められると考えて,経(経書)という。六芸,六学,六籍ともいわれる。
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百科事典マイペディア 「六経」の意味・わかりやすい解説

六経【りっけい】

六芸(りくげい)とも。儒教経典のうち重要な6種。《詩経》《書経》《礼(らい)経》《楽経》《易経》《春秋》。戦国時代にはこの六経が定まっていたとみられる。のち《楽経》《礼経》が亡失。《礼経》を《周礼(しゅらい)》と《礼記》に分かち,《楽経》《礼経》の代りに入れ,六経とした。
→関連項目六芸

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「六経」の意味・わかりやすい解説

六経
りくけい
Liu-jing

儒教の基本的な6つの経典。『易』『書』『詩』『礼』『春秋』『楽』の6つの経書。先秦儒家的知識人が必須の教養としていた詩,書,礼,楽 (文学,政治学,文化的素養修身を兼ねそなえる4つの学問分野) は,戦国時代から漢代にかけて儒教の正統的文献として次第に経典化されていくが,その過程で儒家はさらに春秋 (歴史学,政治学) ,易 (哲学,政治学,修身) の2教科をつけ加え,この六経を彼らの基本的経典として尊んだ。武帝の経学博士設置のときには楽を除いた五経 (『易』『書』『詩』『礼』『春秋』) がその対象となった。

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普及版 字通 「六経」の読み・字形・画数・意味

【六経】りくけい

経家の六つの経典。〔荘子、天運〕孔子、老(らうたん)に謂ひて曰く、丘、詩・書・禮・樂・易・春秋の六經を治む。自ら以て久しくして其の故を熟知すと爲す。

字通「六」の項目を見る

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「六経」の意味・わかりやすい解説

六経
りくけい

経書

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世界大百科事典(旧版)内の六経の言及

【経学】より

…当時,書名としては《孝経(こうきよう)》が早くから著名であるが,《老子》などにも〈経伝〉〈経説〉があった(《漢書》芸文志)。 儒家の経典は《荀子》にみえる〈礼・楽(がく),詩・書,春秋〉の5種が古く(勧学篇),漢初に成立した《荘子(そうじ)》天運篇に〈孔子が,詩・書,礼・楽,易・春秋の六経(りくけい)を治め〉というように〈六経〉と称し,同時代の賈誼(かぎ)が《新書》六術篇でこれを〈六芸(りくげい)〉と言いかえている。前漢,武帝期に,国家教学として学官に五経博士が置かれ,儒家がそれを独占する前後から,六経の教義は政術に応用される国家学〈六芸〉の位置をしめ,《論語》《孝経》がこれに準ずる扱いをうけるようになった。…

【経書】より

…これを五経という。これに漢初になって《易》が加えられて六経の名が生まれ,さらに九経,十二経,十三経としだいに増加するものの,経の本質的な意義に変りはない。 司馬遷は《史記》において経書の特質を〈易は天地陰陽四時五行(ごぎよう)を著す,故に変に長ず。…

【歴史】より

… 周は殷の叙述形式を継承するが,その創業期を過ぎると,史官の手で口頭伝承を記録し,あるいはそれらを集成することが始まったようである。清代の章学誠は,儒家のいわゆる六経はもともと古代の史官の記録から起こったものだという〈六経皆史〉説を唱え,今日でも高く評価されている。この説によって考えれば,西周中期以後史官の手で作られた記録がさらに春秋末期以後儒家によって方向づけられ六経となったようである。…

※「六経」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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