善本(読み)ゼンポン

デジタル大辞泉 「善本」の意味・読み・例文・類語

ぜん‐ぽん【善本】

内容のよい本。また、校訂注釈などが行き届いている本。「善本テキストに選ぶ」
書誌学で、本文系統が古く、保存状態のよい写本や版本。
仏語
㋐仏の悟りを得るもとになる善根功徳
功徳のもとになる善法
浄土教で、南無阿弥陀仏名号のこと。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「善本」の意味・読み・例文・類語

ぜん‐ぽん【善本】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 内容、形式ともにすぐれた本。( 1 )校訂などがよくゆきとどいている本。また、校注などが精密にほどこされている本。( 2 )本文などに欠脱のない本。特に、書誌学で、著者原本に近い本。保存がよく、本文に信頼性のある本。
    1. [初出の実例]「後義解の善本をみれば、受は愛の字の誤りなり」(出典:随筆・秉燭譚(1729)一)
    2. [その他の文献]〔宋史‐王洙伝〕
  3. 仏語。さとりの果を得るための因としての善根功徳。また、いっさいの善の根本真宗では、彌陀(みだ)の名号をさす。
    1. [初出の実例]「善本者如来嘉名、此嘉名者、万善円備、一切善法之本、故曰善本也」(出典教行信証(1224)六)
    2. [その他の文献]〔勝鬘経‐摂受章〕

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