裛衣香(読み)エイコウ

デジタル大辞泉 「裛衣香」の意味・読み・例文・類語

えい‐こう〔えひカウ〕【×裛衣香/×被香】

装束にたきしめる香。また、その材料栴檀せんだんの葉や樹皮から作るという。えび。えい。えいのか。
「―の香のまがへるいと艶なり」〈初音

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精選版 日本国語大辞典 「裛衣香」の意味・読み・例文・類語

えい‐こうえひカウ【裛衣香・裛被香】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「裛衣」は香をたきしめた衣の意 ) 各種の香料を調合して作った薫物(たきもの)の一種。衣服にたきしめる。また、栴檀(せんだん)の葉皮を臼(うす)でついて、ふるいにかけて作るともいう。えい。
    1. [初出の実例]「わざとめきよしある火桶に、侍従をくゆらかして、ものごとにしめたるに、えひかうの香(か)のまがへる、いと艷(えん)なり」(出典:源氏物語(1001‐14頃)初音)

裛衣香の補助注記

室町末の「饅頭屋本節用集」に「裛被香 エビカウ」とヒが濁音の例が見られる。またこの語について「えびこう」と訓み、「えび」は「葉皮(えふひ)」から転じたものとする説もある。

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