栴檀(読み)センダン

デジタル大辞泉 「栴檀」の意味・読み・例文・類語

せん‐だん【××檀/×楝】

センダン科の落葉高木。暖地に自生する。樹皮に似て暗褐色。葉は羽状複葉で縁にぎざぎざがあり、互生する。初夏淡紫色の5弁花を多数つけ、秋に黄色の丸い実を結ぶ。漢方で樹皮を苦楝皮くれんぴといい駆虫薬にする。おうち。あみのき。 花=夏 実=秋》「―の花散る那覇なはに入学す/久女
ビャクダン別名

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精選版 日本国語大辞典 「栴檀」の意味・読み・例文・類語

せんだん【栴檀・楝】

  1. 〘 名詞 〙 ( [梵語] Candana の音訳 )
  2. 植物びゃくだん(白檀)」の異名
    1. [初出の実例]「清く涼しき林のせむだんのかげに」(出典:宇津保物語(970‐999頃)俊蔭)
  3. せんだんこう(栴檀香)」の略。
    1. [初出の実例]「薫り栴檀・沈水にしみかへり」(出典:栄花物語(1028‐92頃)もとのしづく)
  4. ( 楝 ) センダン科の落葉高木。四国・九州以西の暖地に自生するが、ふつう庭木・街路樹として栽植される。高さ七メートルに達し、樹皮は縦に裂ける。葉は二回または三回羽状複葉で長さ五〇~八〇センチメートル。各小葉は卵形または卵状楕円形で先がとがり、縁に鈍鋸歯がある。五~六月頃梢の葉腋に大型の複集散花序をつけ、淡紫色の小さな五弁花が群がって咲く。果実は長楕円形で五個の縦溝があり黄色に熟す。樹皮はジョウチュウの駆除薬に使い、果実をひび・あかぎれに用いる。材は建築・家具材になる。香木の栴檀とは別。漢名、楝。おうち。せんだ。あらのき。あみのき。〔訓蒙図彙(1666)〕
  5. せんだん(栴檀)の板」の略。
    1. [初出の実例]「障子の板歟、栴檀、弦走歟、胸板の真中か」(出典:保元物語(1220頃か)中)

せん‐だ【栴檀・楝】

  1. 〘 名詞 〙せんだん(栴檀)」の変化した語。〔かた言(1650)〕

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普及版 字通 「栴檀」の読み・字形・画数・意味

【栴檀】せんだん

梵語candanaの音訳語、せんだん。

字通「栴」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の栴檀の言及

【ビャクダン(白檀)】より

…心材や根材を水蒸気蒸留して得られるビャクダン油sandal oilは,主成分としてセスキテルペンアルコールのサンタロールsantalolを含有し,薬用やセッケンなど化粧品の賦香料とする。なお,〈栴檀(せんだん)は双葉より芳し〉の栴檀はビャクダンのことで,センダン科のセンダンではない。 ビャクダン属Santalumは太平洋地域を中心に約20種あり,小笠原諸島にもムニンビャクダンS.boninense Tuyamaが分布する。…

【プージャー】より

…(3)洗足 足を洗うための水をささげる。(4)表敬 敬愛をあらわす特殊な供物(栴檀(せんだん),花などを入れた水)をささげる。(5)口をすすぐ儀礼 食前・食後の作法で口をすすぐ水を供える。…

※「栴檀」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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