複数学位課程(読み)ふくすうがくいかてい

大学事典 「複数学位課程」の解説

複数学位課程
ふくすうがくいかてい

代表的には,同一大学の二つの大学院を同時に修了するか,国の内外の二つの大学を同時に卒業し,二つの学位を取得する制度。アメリカ合衆国法科やビジネス大学院は他分野の学位の同時取得を奨励するが,グローバル化の文脈ではおもに2国の大学に在籍し,二つの大学の学位を同時に取得する制度を指す。国民国家解体過程にある現代,学士課程自国の伝統の教育を充実する一方,異文化の中で活躍しうる素地の徹底的な訓練を必要とする。2国の大学の教育内容・課程,卒業要件等を相互調整・編成した上で,学生の在籍年数をほぼ2分し,一貫した学修経験を提供する過程が解決策とされる。大学院では,外国の機関と共同して初めて達成可能な,高度な研究指導体制も構築しうる。2012年現在,100校前後の日本の大学・大学院がアジア・北米・ヨーロッパの諸大学と協力体制を組んでいるが,教育課程を「共同で編成・実施」する厳密なJoint-degree Programsは数件にとどまる。
著者: 立川明

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報

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