西国三十三所観音

山川 日本史小辞典 改訂新版 「西国三十三所観音」の解説

西国三十三所観音
さいごくさんじゅうさんしょかんのん

西国三十三所とも。観音が衆生救済のために33体の化身となって現れるという思想から,観音菩薩本尊とする33カ所の巡礼札所として定められた寺院。和歌山県熊野那智の青岸渡(せいがんと)寺を起点として,大阪・奈良・京都・兵庫・滋賀・岐阜の2府5県にまたがる。起源については,花山(かざん)法皇霊場を整備したとする伝承が一般に流布しているが,平安末期に修験者の行尊(ぎょうそん)や,慈円を兄にもつ修験者覚忠(かくちゅう)による開創とされる。鎌倉時代までは僧侶がおもに巡礼したが,南北朝期以後しだいに俗人の巡礼がふえ,西国巡礼とよばれた。関東には坂東三十三所観音・秩父三十四所観音など早くから西国巡礼をまねた観音霊場が設けられた。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

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