朝日日本歴史人物事典 「西園寺実衡」の解説
西園寺実衡
生年:正応3(1290)
鎌倉時代後期の公家。関東申次。父は西園寺公衡。母は権大納言中御門経任の娘。嘉元2(1304)年1月従三位に叙される。元亨2(1322)年8月大納言に進んだが,翌月2度目の関東申次の役職にあった祖父実兼が没すると,鎌倉幕府の承認を得て,この役職についた。正中1(1324)年4月内大臣となるが,嘉暦1(1326)年10月辞し,翌月没。実衡の関東申次時代には,正中の変がおこるなど後醍醐天皇による討幕の機運が高まり,朝廷と幕府の間には問題が山積した。『徒然草』は日野資朝のラディカルな性格に対比する形で,実衡の伝統を重んじる性格を描き出している。
(森茂暁)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報